コラム

あなたの職場は大丈夫?
リモートワークの課題と対策

2020.8.26

ビジネススキル

目次

リモートワークとは

そもそもですが、「リモートワーク」の定義を確認します。
一般的には「テレワーク」と同義で使われますので、日本テレワーク協会の定義から引用します。

テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

出典:一般社団法人日本テレワーク協会

本コラムでは、表現を「リモートワーク」で統一いたします。
また、同協会によるとリモートワークは3種類に分かれるようです。

在宅勤務

自宅で勤務

モバイルワーク

客先や移動中に勤務

サテライトオフィス勤務

勤務先外の
オフィス等で勤務

今は在宅勤務をされている方が増えていますが、モバイルワークやサテライトオフィス勤務もその仲間ということになります。

直近のリモートワーク実施率

さて、ここからはリモートワークの課題について話を進めていきます。
そもそもリモートワークの実施率は今、どのくらいなのでしょうか?
パーソル総合研究所の調査によると、5月29日から6月2日のリモートワーク実施率は「25.7%」で、同調査の4月実施時「27.9%」と比較すると、約2%低下しているようです。

リモートワークの実施率推移
出典:パーソル総合研究所
「第三回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」を元に作成

若干ですが、日本はオフィス勤務への回帰が進んでいるようです。なぜでしょうか?
その理由は、リーダーとメンバーが抱える悩みの違いにあるようです。

メンバーは「働きやすい」、リーダーは「生産性落ちる」

まず、リモートワークの「働きやすさ」に対する両者の考えを確認します。
以降のデータは、カオナビHRテクノロジー総研の「リモートワーク実態調査レポート」を参照しています。
同調査によると、部下がいない人(=メンバー)が「働きづらい」と回答した割合は「17.3%」であるのに対し、部下がいる人(=リーダー)は「34.0%」とほぼ倍の差がありました。

働きやすさの比較(部下の有無)
出典:カオナビHRテクノロジー総研
「リモートワーク実態調査レポート2 図5」を元に作成出典

次に、リモートワークの「生産性」に対する両者の考えを確認します。
引き続き同調査によると、メンバーで「生産性が下がった」と回答した割合は「31.3%」であるのに対し、リーダーは「44.7%」と大きな差がありました。

生産性の比較(部下の有無)
出典:カオナビHRテクノロジー総研
「リモートワーク実態調査レポート2 図6」を元に作成

メンバーは「作業環境」、リーダーは「コミュニケーション不足」に不満

両者の感覚の違いはどこから生まれているのか、さらに調査レポートを確認してみます。
メンバーは「運動不足やストレスにより、自身の対象管理が難しい」「事務用品、印刷機、PC、Wi-Fi等の機器が使いづらい」ことに不満を感じる一方、リーダーは「社内の人と会議やディスカッションがしづらい」「顧客や業者など社外の人とコミュニケーションが取りづらい」ことに不満を感じているようです。
総じて、メンバーは自らの「作業環境」に、リーダーは「コミュニケーション不足」に不満を感じていると言えそうです。

リモートワークの不満点(メンバーの上位5つ)
リモートワークの不満点(メンバーの上位5つ)
出典:カオナビHRテクノロジー総研
「リモートワーク実態調査レポート2 図7、8」を元に作成

まとめ

以上を総括すると、メンバーは「自らの仕事を効率化したい」一方、リーダーは「チーム内のコミュニケーションを保ちたい」という姿が見えてきました。両者の違いは、年代ごとの価値観に起因していそうですが、業務上の「視点」の違いも影響していると考えます。組織としての「成果(=アウトプット)」を共通認識として持つことができれば、リモート環境でも力を発揮できるチームになれるかもしれません!

日本能率協会では、こうしたリモート環境のチームマネジメント、リーダーシップにフォーカスした公開研修をご用意しております。

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本研修の要点を、Q&A方式でお届けします。

参加対象はどんな人?

本研修の対象は、係長や主任といった「チームの中心」といえる方々です。
リモートワークはその特性上、チーム内のコミュニケーションが一層大切になります。「部」や「課」といった大きな視点よりも、「チーム」単位のより現場に近い視点でマネジメントのテコ入れをする方が、効果が出やすいと考えるからです。もちろん、そのためには部課長層以上の方々のご理解をいただく必要がありますので、部課長以上の方のご参加も積極的にお受けしております!

具体的に、どんなことを学べるのか?

リモート環境における「信頼構築」「支援」「評価」の具体的な方法を学ぶことができます。
リモート・リーダーシップという考え方はすでにアメリカで提唱されたものですが、これを元に具体的な手法を開発されたのが、本研修を担当いただく安部哲也講師です。立教大学大学院のビジネススクールで特任教授として活躍される一方、eqパートナーズ株式会社の代表取締役社長としてリーダーシップ研修を中心に登壇されています。理論と実践を両立される現役社長から「現場のノウハウ」を学んでみませんか?

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