コラム

With_Post_コロナ時代の組織マネジメント能力

2020.9.1

組織開発

一般社団法人日本能率協会講師
深代 達也

1. 在宅ワークの拡大で鮮明となる、
社員一人ひとりの「やる気差」&「能力差」

コロナ禍の中、2020年4月8日の緊急事態宣言以降、多くの企業が在宅ワークを推進しました。
「働き方を見直す機会になりました」
ほとんどの方が、そうした感想を述べています。
実際、「付き合い残業」、「帰りにくい空気」や、ストレスの高い通勤時間の拘束から解消され、ワークライフバランスが向上するなど、多くの具体的なプラス面が指摘されているようです。
しかし、一方で、「決められたことはやるが、それ以上の自発性が発揮されない社員」と、「自分で見通しをもって自発的に仕事をすすめる社員」との差が歴然としたとか、今までその社員の能力だと思っていたことが、実は他のメンバーの協力でできていたことが判明したなど、一人ひとりの「やる気差」や「能力差」が鮮明になってきたのではないでしょうか。

2. いままでの働き方で
「やる気差」&「能力差」を補っていた組織の能力

在宅ワークで、一人ひとりの「やる気差」や「能力差」が鮮明になったことを裏返して考えると、いままでの働き方の中に「やる気差」や「能力差」を補う要素が存在していた可能性が示唆されます。
心理学では、見えるものや聞こえるものなど、5感でキャッチする様々な情報が無意識に作用し、モチベーションの喚起につながることが知られています。また、誰かと一緒にいることで、一人のときよりも自己コントロールが向上することがあることも知られています。
今までの職場での働き方は、上司や同僚、そして部下の共に働く姿や声などが無意識に作用して、自分の働くマインドに影響を与えてきたり、社員相互の切磋琢磨を促進したり、他メンバーの足りない部分を他のメンバーが予見して補いあったり、社員一人ひとりを束ねで求心力をあげていき易い環境だったと言えます。
これらは個人の能力というよりも、組織の能力と言えます。

3. with / post コロナ時代、
管理者に重要となる組織づくりの知識とスキル

在宅で働く働き方が急速にアタリマエになっていく中で、今後は、こうした組織の能力を、在宅ワークの環境でも発揮させていくことが大切になります。
そのためには、いままで社内で習慣的に無意識でやっていた組織づくりの知恵とは何だったのか、再確認する必要があるでしょう。
組織づくりの知恵の中には、やる気(モチベーション)のマネジメントやチームビルディングなど、様々な知識・スキルがあります。
管理者はこうした組織開発の知識・スキルの最新情報を学び直していくことで、新しい環境に適応できる組織マネジメント力を発揮できると思います。

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